イタセンパラ勉強会でお話ししました

木曽川に棲むイタセンパラを保全する取り組みとして,環境省と国土交通省が「木曽川水系イタセンパラ保護協議会」を共同設置しています.この協議会が毎年開催しているイタセンパラ勉強会が2022年12月3日(土)にあり,講演させていただきました.やや硬い講演タイトルをいただきましたが,話した内容自体は「木曽川のワンドとイタセンパラの関係」であり,以下の通りです.

①現在イタセンパラが棲んでいるワンドとは,川の中でどんな存在・環境なのか?という基本的な話.
②今見ているワンドは昔からそこにあるのか,どんな変遷をたどってきたのか?という時間的な川の変化の話.
③イタセンパラはどんなワンドが好きなのか?という生態的な話.
④以上を踏まえて,保全対策のこれまでと今後の話をちょっとだけ.

特に強調したいのは,川が洪水のときに運んでくる土砂(ここでは砂)がたまってできる新たな砂州が,新しいワンド形成のきっかけとなり,そこに二枚貝が棲みつき,イタセンパラも産卵するようになる,ということです.ただし,こうした地形変化は今の川の条件では起こりにくく,その分,河川管理の中で少し手助けする必要があると思います.

これは私の木曽川における10年強におよぶ研究の1つの結論でもあり,そのうち別のページで詳しく説明したいと思います.