川の魚の分布・温暖化影響に与える地質と気候の影響を扱った共著論文が公開されました!

Underlying geology and climate interactively shape climate change refugia in mountain streams. Ecological Monographs
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『火山岩帯を流れる川の水は冷たく,温暖化が一層進んだときに冷水を好む魚の避難場所になる.だけど,現在の中部地方のように既にかなり暖かい地域では,火山岩帯の冷水傾向が明瞭でなく,この効果はあまり期待できない(地質に関係した逃げ場はない).』

そんな冷水性の川の魚の分布・温暖化影響に対して示唆を与える論文です.中部以南の山間地に棲む冷水性の魚類は,東北や北海道よりも苦しい状況に追い込まれる可能性があるようです.

大学生時代に研究室の後輩だった石山さんの論文です.地質と気候が異なる北海道・関東・中部の川を駆け回って調査した魚と水温のデータを使った力作!素晴らしい!

ちなみに,川で魚を採捕する調査には,各都道府県知事の特別採捕許可が必要なんですが,調査河川(区間)の漁業権を持っている各漁業協同組合の同意を得ることも必要でして,これがなかなか大変...まして,全国あちこちでそれをやるなんて,計画段階で普通は心が折れますよ.プロレスラーのような組合員たちに囲まれ,さながらリング上で調査用の電気漁具について説明したことは,今では笑い話ですけど.