卸売市場の流通量データを使用したアユの生物季節に関する,ちょっと珍しい論文を発表しました!
永井信・斎藤琢・永山滋也 (2024) 卸売市場統計値によるアユとサツキマスの生物季節モニタリング. 日本生気象学会雑誌61(1): 19-31. https://doi.org/10.11227/seikisho.61.19
卸売市場では,多くの食材が取引されており,その取扱数量が日々記録されています.この論文では,過去約30年間蓄積されたアユの月別入荷量データを使って,アユの河川遡上時期や産卵降河時期の変化が読み取れるのか試行しました.
結果としては,アユの産卵・降河時期(10~12月)における取扱数量の割合(年総量に占める割合)が,この30年で増加傾向であることが分かりました.これは,私が別の論文で書いた「温暖化によるアユの降河時期の晩期化」に関連しているものと思われます.
このように,卸売市場に眠っているデータを活用することで,生物の生活史や生物季節(フェノロジー)の変化を把握できる可能性が示されました.気候変動に伴うこれらの変化について,卸売市場データを活用できる可能性があります.もちろん,データの制約上,知り得ないこともたくさんありますが・・・(論文で解説しています).