イタセンパラ域内保全部会に出席しました

木曽川のイタセンパラを保全するために設置されている「木曽川水系イタセンパラ保護協議会(環境省・国土交通省)」の部会である「域内保全部会」に有識者として出席しました(2022年12月13日).「域内保全」とは「生息地における保全」のことであり,ここでは木曽川になります.対になる言葉として「域外保全」があります.これは「生息地じゃない場所での保全」のことで,木曽川のイタセンパラの場合は,水族館,動植物園,水産研究所での飼育繁殖・系統保存にあたります.

私は,自然現象や人為的影響で変化する実際の川の中で,生物がどのように生存しているか,保全の鍵はどこにあるか,ということを研究しているので,域内保全向きの人間です...

今回の部会における報告から,木曽川におけるイタセンパラとその生息地の保全は,自然の営力を活かしたよりダイナミックな方法への転換期にあることを確信しました.しつこく訴えてきたことも少しは役に立っているかなと思いますが,それだけに,その後の川とイタセンパラの応答が気になります.どんなに考え,研究し,論文を書き,保全策をうっても(河川管理者にうってもらっても),イタセンパラが木曽川から絶滅したら終わりです.大袈裟に言えば,切腹ものと思っております...