木曽三川の水温(夏~秋)

木曽三川の扇状地における秋の水温変化を知るために,8月1日から自記水温計(ロガー)を仕掛けていました.本日(11月1日),そのデータを回収してきました.結果は以下の通り.

結果(グラフから読めること)

・8月の前半(~319)は三川ともに25℃以上と熱く,中でも長良川の水温が最も高い.
・8月中旬(319~425),雨によって水温が急落するが,その後は真夏日も多く,9月20日にかけて(~1220)再び水温が上昇していく.この間,最も温かいのは木曽川だった.
・9月末(~1485),急に冷え込んで水温も下がりだす.それでも,三川ともに20℃以上をキープ.ここまでずっと,揖斐川の水温は三川の中で最も低かった.
・その後あらためて水温が下がり出し,揖斐川→長良川→木曽川の順で,10月8日までに(1644あたり),ついに水温20℃を割り込む.
・10月20日頃(1962)一段と水温が下がり,日平均水温でも明確に18℃を下回った.20℃以下になってからは,三川の中で長良川の水温が最も高い傾向が続いている.

考察(産卵期のアユとの関係)

これまでの研究成果に照らせば,アユの産卵降河は,産卵に適した水温(20℃以下)になる頃にスタートする.そのため,今年は10月第1週から落ちアユの漁獲量が上がり出したと予想される(漁師さんの話でもほぼその通りだった).そして,10月20日以降は明確に18℃を下回ったことから,さらに漁獲が増えだしているはずだ(先日のアユの採卵のとき.たくさん獲れてた.).

ただし,水温が20℃以下になってから,ほとんど雨が降っておらず,増水していない.むしろ渇水状態である.ここに一雨きて,川が少しでも増水すると,半端じゃない量のアユが上流から押し寄せてきて,落ちアユ漁は大漁になるだろう.特に,上流にアユが待機している長良川では,まず間違いなくそうなる.

来週頭,11月6日に雨予報だが,ある程度まとまった雨が降るなら,そこがXデーだ.